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≪人類至高の‘こころ’を求めて≫
日奉大明神38代平山33世高書
この資料は「日奉創発の会」のテキストを千葉県立東部図書館に提出する際に、二千項目以上もあって再生が不可能なアジェンダが多く、それに代わるものとして、会の精神の概要を一文にしたものです。 (2020年立冬を過ぎて)
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2020年は新型コロナウイルス(COVID-19)が流行し、世界中から悲しい情報が届いています。中国武漢市で発生した当初、ケ小平の資本主義の採用がもたらした文明の軽薄性に対する長江の自然が包摂する「宇宙の意思」からの人類に対する戒めではなかろうかと直感しました。その後の感染者の世界分布地図を見ても、資本主義の発達した都市が赤く塗られて、文明の発達という5千年来人類が信奉して来た価値観の地球上での限界が近づいていることを示しています。
文明というものは人間が生きて行くためには必要不可欠ですが、人類の歴史が作り出した虚構ですから、その根底には野卑性[競争=際限のない欲望]を宿しています。西行法師が源頼朝と鎌倉で会談した際、土産に頂いた「銀の猫」を、門を出た所で遊んでいた子供にあげたという話があり、見事な文明からの距離感です。
現在、この世界文明を指導しているのは、アメリカ文明と中国文明で、いずれも黒海・カスピ海の北岸で厳しい生活環境に追いやられた遊牧民の分派が、厳しい生活環境を通じて騎乗と車輪の技術に出会ったことによって、略奪と交易[現代の経済学]が可能になり、その結果構築された文明という虚構の申し子[アメリカはインド・ヨーロッパ語族の申し子イギリス帝国主義の継承者で、中国は炎帝・黄帝や共産主義も元々はインド・ヨーロッパ語族の影響下にある]です。西欧の歴史家の中には、明治維新は世界の革命とは逆方向の出来事で、その原因はキリスト教諸国[ニーチェがキリスト教の神は死んだという]のコントロール下で、維新以後の国家管理が進められたからであるという。その結果は、諸外国[キリスト教]がコントロールし易い都市文明という虚構が日本列島に急速に発展してしまい、太陽エネルギーを平等に受けている国土総面積のほとんどは見捨てられて荒廃し、人口が減少し、見境なく建造している都市高層ビル群の維持を、私達の残したすべての負債を背負った子孫に押し付ける結果となってしまっています。このままだと、今後の気候変動により数百万の朝鮮人や中国人が流民として押し寄せ、各々の母国の原子爆弾を背景にして、弥生時代以後の鉄製武器を持った倭または倭人が渡来して日本列島の新しい支配者となったのと同様のことが繰り返される確率が高まっています。これは、ギリシャ・ローマ・スペイン・ポルトガル・オランダ・イギリスという分析知国家の巨人達が凋落した道です。
人間は他の生物とは異なり、自分と自分の帰属する集団の将来の幸福を希求し、遠い未来社会でのその実現を生き甲斐として日々努力しています。しかし、人類の幸福とは何かと問われると、答えることはなかなか難しく、現代の社会にそれに向かう端緒を見出すことは不可能に近いのです。何故かというと、約5000年以前から人類の幸福が文明の繁栄の中にあると誤解し、教育を通して人々を洗脳して来たからであります。…釈迦は慧眼を持って見事に文明や国の内蔵する危険性を見極めて出家しています。
近年、文部科学省の配布した宇宙図[宇宙理解図]によると、お椀のような外縁が宇宙の広がりの過程を示し、お椀の上部の円形の口が現在の宇宙の大きさを示しています。お椀の中にあるローソクの炎のような形の表面だけが、炎の形の頂点に立っている自分が感知可能な過去の宇宙です。今、この文を書いている机から谷を越えて冬鳥が飛んでいるのが見えますが、厳密に言うとこれも過去の出来事を見ている訳で、私達はその時その時に感知出来る過去の事象を「今の出来事」と虚構することによって存在しています。この事実への信頼は生命にとっては最も大切な経験則でありますが、その限界に注意深く配慮しないと、文明の野卑性が現われます。この宇宙の虚構性を十分に理解しつつ、諸対象との心地よさを虚構すること[自然との共鳴]が、人間としての究極的幸福に連なるのです。釈迦は迫りくる国家という制度[文明]から距離を取るために、降雨量の多い東方[総合知]へと出家しています。人体の重さの60〜80lは水分子で、その個々の水分子は相互に共鳴し、人体を構成する水分子は総体としても周辺の自然と共鳴し、「宇宙の意思」が表現されています。
この宇宙誕生図の最下部は、インフレーションやビッグバンが起こった部分ですが、先年亡くなったホーキング博士によると、光子の誕生と対になって空間が誕生しました。時を置かずして、各種の粒子と反粒子が生まれ、その釣り合いの乱れから、粒子が残って「静の意思」がこの宇宙に現れました。まだ、仮説の領域らしいですが、シェルドレイクの『形態形成論』が確立すると、この粒子一つ一つに「宇宙の意思」が内包されていることになります。最近の量子力学は私達の認知出来る三次元空間を超えて、四次元空間を論じているようで、そこでも「宇宙に意思」の問題が取り扱われています。宇宙は銀河のない領域(ボイド)と無数の銀河が密集する領域とで構成された網目状の構造を取っています。三世紀に成立したという華厳経の慮舎那仏品に「そのかたち因陀羅(インダラ)の網の如く、諸仏がその中に存して充満したまう」とあり、網の全ての結び目にあらゆる事象[事事無礙]を取り込んでいるという考えがあります。その網は、地球上を過去から未来へと覆う「立体の網」で、各結び目[knot]の少し上に宝珠が一つずつ掛かっています。その宝珠は私達一人一人の心です。この構造は「宇宙の意思」が作り出したもので、宇宙の真理です。その一つの宝珠が、新しい宇宙の真理に出会うと輝き、それと同時に「インドラの網」全体の宝珠がキラキラと輝きます。
このことは、宇宙の真理に関わる本を読んだり、話を聞いたりすることや、野に咲く花に心を向けることが、人類にとって最も大切なことであることを教えています。
三次元の日々の生活に追われる私達には、「インドラの網」や結び目は見ることは出来ません。宝珠=心もありそうですが、なかなか簡単に感得出来るものではありません。ですから、宝珠がキラキラと光るということも、そう考えると分かり易いということです。例えば、「宇宙の意思」という言葉は、アインシュタインやホーキングでさえ、初めは「そのようなものはない」と言い、後になって「ある」と考えを変えたと何かの本で読んだことがあります。私は総合知を大切にする東洋人ですから、「宇宙の意思」の存在を信じています。
「インドラの網」の「結び目」は、私達一人一人が生きる意義で「悟りの境地」です。法華経では、『是法住法位 世間相常住』と言い、「結び目」を法位すなわちダルマの存在する所[各人の悟りの境地=釈迦が父母の愛に包まれたルンピ二]で、そこにはビッグバンから未来永劫の出来事が自然に伝わって来る、静寂な境地だと言います。多くの本を読み、多くの話を聞くと、自分の心の赴く方向[図中B]がぼんやりと感じられ、遠くに法位の存在を信じられるようになるのだと思います。これが、生きる幸せでしょう。
銀河の集合体網
その網構造を構成する銀河団の中を覗くと、二極構造を構成している銀河が多く観測されています。ことに渦巻銀河同士の二極構造は形状そのものが美しく、我々の銀河とアンドロメタ銀河も同様に二極構造をとっています。
渦巻銀河二極構造=創発
生物体で重要な役割を果たしているDNAも二極構造を構成していて、
DNA二重構造
左脳右脳の二極構造
人間の脳は右脳と左脳とが脳梁で結ばれている二極構造で、双方が同等の機能を持つ部分もありますが、主に右脳は思考の情緒的分野を左脳は論理的分野を担当しています。日本列島に住む人々の特長は、他の民族が音を右脳で処理するのとは異なり、一度左脳で処理してから脳梁で右脳に渡すために、同じ振動数でも春の音と秋の音、晴れた空間を伝わる音と雨の空間を伝わる音を区別して表現出来るといいます。
下図に緑色で示すように、アフリカで誕生した人類の一部は楽園[日射量と降雨量の多い地域]を求めて東遷し、ベトナムとインドネシアに囲まれた海上にあったスンダランドに定住していました。この人々の末裔が、4万年前頃から日本列島にも定住し、土器を製作するようになって、人口も増えて縄文時代に入りました。彼等は関東平野を中心に縄文環状集落を多く作って生活していました。環状は「宇宙の意思」の内包する二極構造の現われで、時代が下るにつれて外からの情報量が増え、分節構造[二極構造の顕在化]を採るようになりました。
時代が下り、北関東が関西の分析知[倭人勢力]に征服されると、南関東は出雲族[先住の倭人勢力]の影響を受けて、武蔵―海上の二極構造を採って生き残りを策しました。やがて、武蔵は関西勢力に制圧[武蔵国造の乱:534]されて、縄文の総合知は房総半島の東北部の下海上国として残るだけとなりました。大和族のオオ氏は、九州王朝勢力と対抗するために関東を征服する過程で、関東平野の縄文精神[総合知]と大和大王族が朝鮮半島から持って来た信仰[分析知]との中庸を取る必要性を感得して、関東の各征服地に中臣職を置きました。その一つ那賀国の中臣氏に鎌子が出て、南部の下海上国の制圧と、縄文精神[総合知]を大和大王族の体制へ取り込むことを考えました。このために、下海上国側はその圧力に抗しきれずに城山の拠点[小見川]を失い、南部の拠点であった鏑木―中村の二極構造で対抗しましたが、577年に現在の私の屋敷を拠点としていた下海上国造が、敏達大王の他田宮で日奉部として奉職することで、中臣氏に取り込まれました。中臣氏は朝鮮半島から持ち込んだ高御産巣日神に代表される分析知の神と日本列島固有の総合知の神との中庸を採った神の創造を目指しましたが、キリスト教分析知諸国に制圧されている現代日本の支配層と同様に、当時の支配層では仏教・儒教等の大陸分析知勢力が圧倒的に強大で、その分析知の雄である蘇我氏によって、中臣鎌子の子や物部氏[丁未の乱;587]は殺されてしまいました。この中臣鎌子の別派にいた中臣鎌足は、鎌子の名を名乗って中臣氏の思想を継承しましたが、蘇我氏の思想が圧倒的な時代であったために、鎌足は分析知を徹底的に学び、朝廷での地位を築いて行くことになりました。地位が向上した鎌足は、総合知と分析知の中庸を目指す中大兄皇子を組んで、蘇我氏を倒して日本列島を統治する新しい神の創造に向かいました。しかし、秦氏等の活動で中東のヒエラルキー構造の神の影響を受けたユダヤ教や、それがギリシャ哲学の影響を受けて論理化されたキリスト教[景教]の思想が渡来して、圧倒的な分析知の社会体制によって再び歪められてしまいました。政治的には律令制度の普及が要請されて、益々ヒエラルキー構造の思想が社会を支配してしまいました。
このために総合知[日奉精神]は藤原氏の中に吸収されて、藤原氏の思想を補完する地位に落とされてしまいました。注意すべきは、藤原氏は忌部氏や物部氏とは異なり、この総合知を秘蔵[常に宇宙の意思を吸収]していたから、以後日本列島の最大の統治族となることが出来ました。藤原一族の赴任した地のほとんどに、日奉部を伴っています。
鎌足の子藤原不比等と天武天皇によって、分析知に傾いた古事記・日本書紀が編纂され、アマテラス神と天皇制が創造されました。律令国家の建設のためにヒエラルキー構造を採る要請から、ウクライナ[スキタイ=インド・アーリア系]の「三種神器」と中東[セム系]から「菊の紋章」という思想が導入されました。
≪海上島≫
チンパンジーやヒヒの社会にも見られるように、水の変態エネルギーの恩恵を豊富に受ける地域では穏やかな
女系社会が形成されていた。縄文環状集落はその現れで、釈迦の空・老子のタオに通じる総合知の宝庫である
≪日奉精神の誕生≫
日本列島の西と北からの分析知勢力侵入の刺激を受けて、武蔵国と海上国の二極構造が誕生した
≪下海上族の二極構造・アマテラス以前の神≫
大和族の北関東の侵略は那賀国まで南下し、三宅や田部が下海上国内にも形成されて、下海上国造の拠点小見川城山は維持出来ず、鏑木―中村の二極構造を採って総合知を守ったが、那珂国の中臣鎌子は577年に鏑木の下海上国造を奈良桜井の敏達大王他田宮に連れ出して、総合知と分析知の中庸を採る神を他田坐天照御魂神社に祀った。
中臣氏の飛躍
鏑木
中村
≪暫く繰り返しになりますが≫ 宇宙の誕生以来、「宇宙の意思」の基礎構造として二極構造が存在し、日本列島では縄文環状集落として現れ、南関東の武蔵国―海上国構造・上海上―下海上構造[この頃になるとカエサルの分割統治=インド・アーリアの分析知の影響もあるが]は、「宇宙の意思」を継承した構造体であります。ここで、中臣鎌子が現れて、現在の当家の地に勢力を維持していた下海上国造[総合知]を、奈良桜井に敏達大王[分析知]が新設した他田宮に連れ出し日奉部(577)を創設して、渡来系の分析知精神と日本列島古来の総合知精神との中庸をとった神を、漢書・後漢書の統治論に従って創造しようとしました。しかし、丁未(テイビ)の乱(587)で分析知の巨人である蘇我馬子によって討伐されてしまいました。そのため下海上国は、中臣氏の日部として、鏑木古墳群―北条塚古墳の形態を残すことになりました。奈良では、中臣氏の別系統の中臣鎌足が、鎌子と自称して中臣氏の精神を継承しながらも、圧倒的な蘇我氏の権力に対抗するために分析知の法典「六韜」等を学び、分析知に偏った政策で朝廷での地位を確立しました。鎌足の時代から現代までの人類史を見ても、インド・ヨーロッパ語族の獲得した差別・競争という野卑性を基盤とした国家[王侯貴族・神職]や文明というものが優位性を保ち、欲望に根差した生き方が続いています。最近になってようやくボーアの量子力学やシェルドレイクの形態形成論やプリゴジンの散逸構造論等が出現して、釈迦の「空」や老子の「タオ」等の総合知を分析知側からも理解されるようになって来ました。
総合知は心の働きで、右脳と左脳を結ぶ脳梁の働きで生まれるのかも知れませんが、右脳と左脳が近接して存在する二極構造による創発作用が重要です。日本列島に住む人々に特徴的なのは、音を聞いた時先ずは論理的左脳で受けとめて評価し、右脳に送られるシステムを持つことだといい、直接右脳で聞く他国の人々とは異なる音の情報に対する思いがあるということです。例えば、キリスト教一家に生まれた山田耕筰が、ドイツで西欧音楽を学んだが満足せず、帰途でモスクワに立ち寄りロシア正教の音楽に感動したものの、帰国後表面上は日本精神を唱えながら現実にはキリスト教化の進む明治維新以後の日本の風土の中で、キリスト教を捨てて純粋の日本精神を求めて「カラタチの花」を作曲したことにも通じます。
地球上に最後に残った総合知として、日奉精神[宇宙の意思]を捉えていますが、それは日本列島に人類が住み始めた時の人々:古モンゴロイドの精神で、最近の量子力学によると、宇宙のあらゆる表象と共調する精神であり、五千年前頃の人類が黒海とカスピ海の北岸で虚構した文明の影響を受けていない人間の純粋な「こころ」です。インドネシアのドバ山や阿蘇山や鬼界が島の大噴火の影響もあり、古モンゴロイドロイドの日本列島での安住地は東日本であり、多くの遺跡が残っています。その一つが酒々井町にある約3.8万年の墨古沢環状ブロック遺跡があります。
この構造が後の縄文時代の環状集落に影響し、時代が下り外部からの情報量の伝達が増加して分節構造が現れ、南関東では海上国―武蔵国⇒ 上海上―下海上⇒ 日野―中村⇒ 鏑木―中村と変化し、総合知の精神を守って来ました。この歴史にシェルドレイクの「形態形成論の仮説」を如何に適応するかは将来の問題であります。
関東平野に住んでいた人々は、律令制度[分析知]には距離を取り適当に対処していたようで、平安末期には無害となった伊勢神宮[偽り申す神]には、同様に無害であった江戸時代のように観光に利用する人々が多かったようです。房総半島独立運動と評論する人もいますが、将門の乱・忠常の乱・俘囚の乱・藤原道長時代の妄弊国等々南関東への関西からの分析知思想の流入に反発する動きがあり、それが鎌倉幕府の成立・日蓮思想の誕生に繋がりました。
現代の秀才達が米英の大学で学んで日本列島の風土とはかけ離れた思想を持ち込み、目を見張るような活躍をしているように、最澄・空海という超天才が中国に留学し、鎮護国家というような釈迦の空ではとても理解し難い仏教思想[分析知]が日本列島を包みました。それに対抗する「もののあわれ」が関西の知的女性群を中心に、関東では武士層に「もののふにみち」が現れました。この「もの」は二極構造[例えば人と野に咲く花]に現れる「こころ」です。
この時代背景の中で、武蔵国の国司を拝命した藤原日奉宗頼は、南関東での日奉精神の復興を策して日奉族を創設しました。この頃は蝦夷地の征服が続いていましたから、そこにも従軍した日奉族は東北地方の総合知と朝廷側の分析知の調整を担当していました。その精神は鎌倉幕府を作った平山二世季重にも受け継がれ、幕府の中枢部にいながら千葉氏と組んで中枢部とは距離を取り続けていました。例えば、和田の乱の際もこの二極構造があったからこそ中枢部側からの攻勢を乗り切れました。関東に高度な分析知が雪崩れ込んだ戦国時代から徳川家康まで期間は、この二極構造を駆使して日奉族は何とか生き延びていました。
日本人の精神を、よく大和心と言いますが、明治維新以後に国家精神として喧伝されたための民衆の錯覚です。倭は、稲作の伝来時に南中国から朝鮮半島に渡って来た人々が遊牧民の精神[分析知]を取り入れて、半島南部[倭]と九州北部[倭人]のに住んでいた人々を示します。中国大陸の人々がおそらくは匈奴と対の呼称として用いていたと思われます。日本列島に渡来した人々は、北九州や中国地方の山の麓に住んでいたので山口(ヤマト)という呼称が生じたと思います。蛇足になりますが、「祭」は遊牧民が他者を意識した行為、「祀」は稲作民が他者を意識した行為、「奉」は個人が自然[宇宙の意思]と瞑合することと定義しています。
宇宙は137億年前の誕生時から、二極構造を階層的に内包することによって発達して来ました。その最終的到達点の一つに人間の脳があり、脳の認識の手段の大半は可視光や音波等[五感]非常に限られた手段しかありません。その認識の対象:宇宙の意思は11次元とも言われ、ブラックマターやブラックエネルギーが大半で人間が認識出来るものは、わずか4lと言われています。確かに分析知の領域で発達した数学によって、三次元から四次元の世界が見えているようですが、「宇宙の意思」や人のこころを解明するにはほど遠いように思われます。ハイゼンベルクの「不確定性原理」が出て、「色即是空 空即是色」の領域には達しているようですが、瞑想と言いますか一つの脳が自然に囲まれてこの世を認識するのが最良の方法のようです。
源頼朝[分析知]が、刀伊の乱(1019)での大宰府権帥:藤原隆家[平山季重と連なる]と大蔵種材[後の原田氏]との連携で敵:女直族を駆逐した史実から、源平合戦の恩賞として大宰府の近くの大蔵氏の領地原田荘の地頭として藤原日奉族の平山季重を配し、大蔵氏を鎌倉に移しました。このような経緯から徳川家康[分析知]は江戸入城に際して、平山光高[総合知]が帰農した際に、鏑木を天領にして原田氏領とし、日奉族平山図書光高の活動に自由を与えています。一方、光高側も徳川家光が誕生すると、光高の長子光仲の名前を満仲に変えて、以後「光」の文字の使用を慎んでいます。律令時代から藤原一族は表面で強度の分析知を示しながら、藤原一族内に日奉族[総合知]を抱えることによって日本の最高の支配者の地位を維持したように、徳川家康も関東の総合知の存在意義を十分に理解し、社会の安定に十分に配慮した江戸時代という人類最高の政治体制を築きました。以下のことは表に出すものではなかったのですが、秘蔵されている多数の資料によると、総合知の日蓮宗を身延山に統一する際[分析知化]、日蓮宗の正統派である不受不施義を信奉するグループに対する裏での調整は、日奉部が前九年・後三年の役等の征服地の総合知の保護を担当していた平安時代からの慣習に従って、平山図書光高に委任されました。
平山図書光高一隊が掲げた日奉旗の竿頭
例えば、当家の当主が人別帳から距離を取ることを許容していた多数の寺社の建設を許容していた。幕府と対立する朝廷を支援することも黙認していた。椿の海の干拓事業は、江戸の街の建設で財を成した新興階級の仕事として進行させて、幕府と当家とは干拓事業とある距離を取りながら情況を監視する立場にありました。
西欧分析知一辺倒の明治維新以後今日までの国家支配者達と学者達とは異なり、地域の風土=地域に生きた人々の汗と涙の継承=総合知=本来の地方自治を生かしての国家事業の推進は、人類の輝かしい文化遺産であると言えます。徳川家康は3歳で母と生き別れ、6歳から19歳まで織田・今川の人質として過ごした日々に、彼の脳は常人では捉えられない「宇宙の意思」を捉えたのだと思います。
250年以上にわたって禁教状態にあった日本へのキリスト教布教を目指すペリーの黒船に掲げられていた星条旗が、太平洋戦争の降伏文書調印が行われたミズリー号の甲板に掲げられて、キリストの再来と自称するマッカサーは、強制的に日本をキリスト教化するのは簡単だが、日本人に自覚させずにキリスト教化するのが肝要だと言われたと聞いています。この話が事実かどうかは知りませんが、キリスト教国の集まりG8に日本の指導者だけが嬉々として参加しています。織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の心が感じ取った文明の危険性は何かを日本人として再考すべき時です。さもないと、隣の中華人民共和国がアメリカを凌駕して世界の指導国になった時に、またまた中華人民共和国のポチに成り下がってしまい、地球上で最高の自然の恩恵に浴していながら、人類の幸福に何の主張も持たない日本民族になってしまいます。さらに困ったことには、中華人共和国は香港・チベット・ウイグル自治区への対応を見ると、分析知の領域を出ることが出来ずにいることです。
最近アメリカで白人の警官が黒人の首を圧迫して殺した事件に似た事件が頻発しています。一人の白人の問題というより文明の成立以前に、黒海とカスピ海の北岸に追い出された白人の祖先のDNAに刻み込まれていた南方遊牧民の主流派からのharassmentsの悲しみが、最近の黒人人口の増加と中国の台頭で、蘇って来て表面化しているのでしよう。ニーチェはギリシャ哲学の影響を受けて成立したキリスト教が、ローマで迫害を受けてそれに対するルサンチマンで成立した宗教だから、「キリスト教の神は死んだ」としていますが、ニーチェの属するインド・ヨーロッパ語族そのものが、文明を創造する以前の南の遊牧民の中で迫害に耐えて成立しているため、ルサンチマンを内包しています。例えば、貴族は奴隷の末裔を意味し、スキタイの三種の神器は差別分野の象徴だといいます。先に述べましたように、山田耕筰はこの問題を回避しましたが、ニーチェを信奉した夏目漱石から三島由紀夫までの明治の文豪の多くは、文明が内蔵するルサンチマンのために精神異常に落ち込んでしまいました。
この宇宙は、粒子と反粒子や静と動というように、二極の共鳴作用の中から価値の創発が起こることによって存在しています。宇宙の大半を占めるブラックエネルギー・ブラックマターの認識は、三次元世界に存在する人類には、感知出来ない世界かも知れません。宇宙が十一次元で構成されているとすれば残りの八次元は認識の外に畳み込まれていて、人類の考え出した論理や組織等は、靴ベラほどの価値しかないのかも知れない。しかし、脳におけるニューロンの情報交換機構は、非常の不確実でしかも希望に満ちたものになっています。
いかなる天才でも総ての人間は、自己存在の最高の価値を父母と過ごした時間に置いていることは確かです。縄文環状集落でもその中心に墓地を置いたものもあり、内モンゴルの興隆溝遺跡には床下に墓を持った住居遺構があります。釈迦も大パリニッバーナ経[大いなる死]において、父母と過ごしたルンビ二の時空[インドラの網図のC]を目指して旅をして、近くのクシーナガル[インドラの網図のA]で入滅し、目的地に到達しようとしないことによって、修行中の時の経過に潜む悟りの存在[インドラの網図のB]を教えています。死に瀕した釈迦の脳とルンビ二の風土との二極間の共鳴による創発が悟りということでしょう。光子[ホトン]が止まるという四次元の世界に触れるということです。難しい話になっていますが、要するに、窓を開けた時などに、突然吹き込んで来た風に、幼き日に野山で父母と過ごした情景が脳裏に浮かぶということが生きる意義ということになります。この情景を犬童球渓は、アメリカ歌謡(dreaming of home and mother)を翻訳した『旅愁』で、「遥けき彼方に こころ迷う、恋しやふるさと 懐かし父母、思いに浮かぶは 杜(モリ)のこずえ」と、個人と対象との間の創発を歌っています。犬童は、日本人としてmotherを父母と意訳しています。人間の受精卵の細胞分裂は最初に女性として進み、途中である確率で男性に変わるそうです。また、チンパンジーやヒヒは降水量の多い生活の安定した地域では、女性中心の社会が維持されています。女系天皇や女性の地位向上が叫ばれていますが、例え女性大統領が誕生しても、女性の地位向上にはなりません。国家や王政等の5千年来の文明システムの虚構を根本から再構築しなければ、滅亡に向かう人類史の中で、ピエロを演じ続けることになりそうです。
ジョン レノンは、『イマジン』で、文明の下で創造された「天国や地獄を語る宗教」や「殺戮を繰り返す国家」のない社会を想像してごらん。そこでは、空[自然]の下で譲り合い平和に慎ましい今日を暮らす、美しい社会が現れると詠っている。
庭に舞う紅葉に、春の訪れを心待ちにして